1日の約3分の1を占める睡眠は、心身を休めるために非常に大切な時間です。
近年は睡眠の大切さが再認識されるようになり、睡眠時間を見直したり、寝具にこだわったりするご家庭も増えているようです。
一方で、その睡眠についてお悩みがある方は少なくありません。当クリニックでは、睡眠に関わるお悩みをお持ちの方を専門に診療する、睡眠外来を開設しております。
睡眠障害
睡眠障害はどんな病気?
睡眠障害とは、寝付くのに時間がかかる、夜中に何度も目を覚ます、寝起きがひどく辛い、十分寝ているはずなのに疲れが残るといった、睡眠に関わるさまざまな障害のことを指します。
よく聞かれる不眠症も、睡眠障害のうちの1つです。
うつ病、躁うつ病、不安障害、統合失調症などの疾患が原因になっている場合もあります。睡眠薬を使用するのも1つの方法ではありますが、当クリニックでは根本となる原因にアプローチして睡眠障害を軽減・解消することを目指します。
睡眠障害の症状チェック
- 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚める
- しっかり寝たはずなのに疲れが取れない
- 日中の強い眠気、居眠り
- 寝たいと思う時間に寝られない・起きられない
- 睡眠中に大きな寝言を言う、叫ぶ、寝ぼけて行動する
- 睡眠中に足がぴくぴくしている
- 睡眠中にいびきをかく、無呼吸になる
睡眠障害の主な疾患
不眠症
適切な時間、睡眠がとれないことを総じて不眠症と言います。
具体的には、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めなかなか再入眠できない、朝異様に早く目が覚めるといったことが挙げられます。
また今日も眠れなかったらどうしようという不安が強くなり、ストレスを抱えるケースも見られます。
過眠症
きちんと睡眠時間を確保しているはずなのに、日中に眠たくなってしまう状態を指します。
日中に耐えがたい眠気と30分以内の居眠りが繰り返され居眠り後には一時的にすっきりする「ナルコレプシー」、日中の眠気と1時間以上の居眠りが繰り返され居眠り後にもすっきりしない「突発性過敏症」などがあります。
※当院ではナルコレプシーの検査はできません。
睡眠時無呼吸症候群
主に肥満、扁桃・アデノイド肥大などを原因として気道が狭まり、睡眠中に無呼吸が生じる疾患です。無呼吸によって全身への酸素の供給が滞ることから、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。また睡眠の質が低下し、日中に我慢できないほどの眠気に襲われます。
気道が狭くなっているため、しばしばいびきを伴います。
概日リズム睡眠障害
私たちの身体は、おおよそ24時間周期の「概日リズム」に基づいて生理現象を活動に同調させています(朝目が覚める、夜眠くなる等)。このリズムがずれ、夜間に十分に睡眠をとれない障害を「概日リズム睡眠障害」と呼びます。
慢性的な夜型の生活、夜勤、時差のある地域への移動などを主な原因として発症します。
むずむず脚症候群
布団に入って安静にしていると、脚がむずむずする感覚に襲われ、身体を動かすとその感覚が治まる症状です。症状が気になり、入眠が妨げられます。
鉄分の不足、ドパミンの機能低下が関連して起こるものと考えられています。
「レストレスレッグス症候群」とも呼ばれます。
当クリニックでの治療法
睡眠障害に対して、当クリニックでは主に以下のような検査・治療を行います。
睡眠ポリグラフ検査
身体にセンサーを取り付けた状態で、一晩お休みいただき、呼吸状態や身体の動きなどを調べます。
機器は当院が手配(レンタル)し、ご自宅で検査を受けていただけます。入院の必要はありません。
薬物療法
睡眠薬、睡眠導入剤などを使用します。近年は、副作用が少ないお薬の種類も増えてきております。
なお、症状が改善しても、自己判断で服用はやめないでください。医師の指示された期間、服用を続けてください。
CPAP(シーパップ)療法
(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
睡眠時無呼吸症候群に対して、現在もっとも有効とされる治療です。
睡眠時にマスクを鼻に装着し、空気を送り込むことで気道の狭窄および無呼吸を防ぎます。
CPAP療法は、ご自宅で受けていただける治療です。機器は当院が手配いたします。近年では、出張や旅行などの際も持ち運べる、小型の機器も登場しています。
生活習慣のアドバイス
認知行動療法と重なる部分はありますが、生活習慣が乱れているようであれば、その改善のためのアドバイスを行います。
できる限り規則正しい生活リズムを刻む、栄養バランスのよい食事を摂る、適度な運動を習慣化するなどが大切です。